スポンサードリンク

「コダワリの品質基準が安定の証」 NECプラットフォームズのWi-Fi 6ルーター「Aterm WX6000HP」が満を持して登場(Impress Watch)

スポンサーリンク
スポンサードリンク

「コダワリの品質基準が安定の証」 NECプラットフォームズのWi-Fi 6ルーター「Aterm WX6000HP」が満を持して登場
[元記事]
 NECプラットフォームズからWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応のルーター「Aterm WX6000HP」が発売された。業界最速と安定通信をうたう、Wi-Fi 6対応機の1つの“完成形”だ。【この記事に関する別の画像を見る】 ヒートシンク形状の理由、熱伝導シートまでにも及ぶコダワリの部材選別、電波の”向き”まで想定した独自アンテナ……。市場への投入を遅らせてまでコダワった同社の「品質」の秘密について、開発チームの面々にお話を伺った。
■手に持った瞬間に「違う」と分かる軽さ
 「思ったより軽い……」。
 NECプラットフォームズから登場したAterm WX6000HPを手にして、思わず出たのがこんな感想だった。
 筆者はこれまで、複数のWi-Fi 6対応ルーターを評価してきた。いずれの製品も、Wi-Fi 6対応チップを冷却するための巨大なヒートシンクや、電波性能を引き出すための巨大なアンテナのおかげで、見た目の質量以上に重い製品が多かった。
 しかし、Aterm WX6000HPは、こうした従来製品に共通して存在した「重い」という感覚が存在しないのだ。
 「Wi-Fiルーターの重さなんて関係ない」。
 そんな指摘もごもっとも。今回、話を伺ったNECプラットフォームズの開発チームですら、「重さ」なんて意識してはいなかっただろう。
 しかし、彼らがWi-Fi 6の性能をフルに発揮させるためにAterm WX6000HPへ投入した数々の工夫が次第に明らかになってくると、「だから“軽い”のか……」と、当初の漠然とした印象がハッキリと結び付いていく。
 だから、あえて、こう言いたい。
 店頭でAterm WX6000HPを見かけたら、ほかのWi-Fi 6対応ルーターと、ぜひ持ち比べてみてほしい。その軽さが感じられれば、それがこの製品のスゴさを物語っていると。
■“安定通信”と高い品質、性能は今の発売だからこそ実現できた
 Wi-Fi 6対応のルーターが、すでに競合他社から複数発売されている現状を見ると、国内のWi-Fiルーター市場で高いシェアを持つNECプラットフォームズとしては「出遅れた」感さえある。なぜ、Aterm WX6000HPの発売は、2020年を迎えた今となったのだろうか?
 NECプラットフォームズ株式会社の大杉基之氏(アクセスデバイス事業部量販/SOHO事業グループシニアエキスパート)によると、同社の目指した完成形の地点に達するまで、開発に時間をかけたということだ。
 「Wi-Fiが当たり前に使われるようになった今では、スマートフォンやIoT機器など、たくさんの機器が(ルーターに)つながっている状況です。こうした中で、混雑を解消し、システム全体で高い速度を実現する規格として、Wi-Fi 6(11ax)が登場しました。この性能を最大限に発揮させるには、上下方向のMU-MIMOやOFDMAなど、すべての機能がそろい、ユーザーがその機能を十分に使える状態で製品を発売する必要がありました。そのために時間をかけたのです」という。
 実は、店頭に並ぶ市販製品の提供に限れば、同社製は1月下旬発売のAterm WX6000HPが初となったわけだが、Wi-Fi 6(11ax)への対応だけで言えば、通信事業者向けの製品(auひかりのホームゲートウェイなど)を、国内ではどのメーカーよりも早く投入していた。
 このため、最速の市場投入にこだわるというよりも、製品の完成度を高めることに時間を使っていたというのは、ある意味で納得の回答だ。
 もちろん、発売の遅れはデメリットでもあるのだが、むしろメリットも大きかったという
 大杉氏によると、「今の発売となったことで、消費電力の低い最新のチップを使うことができたり、2019年に施行された新電波法に対応できたりと、Aterm WX6000HPの完成度を、より高めることができました」とのことだ。
 今回の製品では、“安定通信”というのが1つの特徴として大きく訴求されているが、こうした安定性の向上にも時間をかけたという。
 「弊社では、製品を出荷する際に、厳しい品質基準を設けています。その項目としては、連続通信時間、温度、子機との相互接続性、同時接続数などがあります。実際に連続して通信したり、たくさんの子機を接続して検証を行うのですが、今回のAterm WX6000HPも、こうした検証にもしっかりと時間をかけた上で作り込んできました(大杉氏)」という。
 例えば、Aterm WX6000HPの製品情報ページやパッケージに「Wi-Fi接続台数 36台」と記載されているが、この数字は、同社で実際に検証した結果の推奨値であり、速度や帯域などから計算したものではないそうだ。
 実直な同社らしい時間のかけ方と言えそうだ。
■実用的なサイズを実現するために悩まされた3つの制約とは?
 Aterm WX6000HPは、「サイズ」という点においても、かなり工夫が詰め込まれた製品だ。
 現状、店頭に並んでいるWi-Fi 6対応ルーターの多くが、巨大と言っていいサイズなのに対し、本製品はスリムな縦型で、従来のAtermシリーズよりひと回り大きい程度のサイズが実現されている。
 冒頭でも触れた「軽さ」は、筐体からもたらされる恩恵だが、開発チームによると、このサイズを実現するために、いくつもの苦労があったようだ。
□熱伝導シートにまでこだわった発熱対策
 大杉氏によると、今のサイズを実現するために3つの制約をクリアする必要があったという。その1つ目が熱対策だ。
 「今回のAterm WX6000HPは、従来製品に比べて消費電力が約1.5倍(最大30W)となっていて、熱対策には苦労しました。内部の熱を放出するには、筐体の開口部を大きくとるのが効果的ですが、大き過ぎれば内部にホコリや害虫が入り込む可能性が高くなります。このため、今回はインナーフレームを採用し、風が通るエリアと基板のエリアを分離するようにしました」。
 実際に内部を開けて説明してくれた。
 ケース外側の穴は、従来のAtermシリーズよりもかなり大きい。そして、基板に大きなヒートシンクが取り付けられているが、ヒートシンクを補助するかたちで、樹脂製のインナーフレームが基板を保護するように取り付けられている。
 「空間を大きくして風を通りやすくする一方で、ホコリなどが基板側に入ることを防止して安全性を確保しながら、しっかりと冷却することができます(大杉氏)」ということだ。
 もちろん、ヒートシンクの形状にもコダワリがある。
 熱対策を考えれば、ヒートシンクの形状を複雑に、大きくすれば冷却効果は大きくなる。しかし、それでは本体サイズが大きくなってしまう。
 このため、「試行錯誤しながらヒートシンクの形状や大きさを工夫しました。また今回は、ヒートシンクと基板上のチップを密着させるための熱伝導シートについても、熱伝導率が高く、それでいてなるべく薄いものを新たに採用することで、効率的に熱をヒートシンクに伝えられるようになっています(大杉氏)」ということだ。
 これを踏まえてAterm WX6000HPの内部を確認してみれば、意外とスッキリしていることが分かるだろう。
 Wi-Fi 6対応ルーターとしては小さなサイズなので、もっと巨大なヒートシンクが搭載され、基板密度も高く、内蔵アンテナで埋め尽くされているようなイメージを持っていたが、小さい割りに余裕をもったレイアウトで、スッキリしている印象だ。
□性能を大きく左右するノイズ対策
 なぜスッキリと、余裕があるレイアウトを実現できているのか? その理由を説明してくれたのは、NECプラットフォームズの山口雄輝氏(アクセスデバイス事業部HW-PF開発グループ主任)だ。
 「小型化で課題になった2つ目のポイントが、ノイズ対策です。Aterm WX6000HPはアンテナを内蔵していますが、10GbpsのLANや高性能なCPUなどが搭載されており、これらのノイズが無線の周波数(主に2.4GHz)に影響を与えてしまいます(ちなみに、外部ではなく内部からのノイズの影響を『自家中毒』と言うそうだ)。このため、これらのチップをアンテナから可能な限り離して基板上に配置することで、ノイズの影響を受けにくくしています」という。
 「加えてAterm WX6000HPでは、ノイズ対策として新しい取り組みもしています。それがアイソレーションアンテナです」と、山口氏は実際に基板を見せながら説明してくれた。
 「ノイズ源となるチップとアンテナの間にアイソレーションアンテナを配置することで、ノイズを逃がし、アンテナに影響が出ないように工夫しているのです」という。
 同社のWi-Fiルーターは長らく(というか従来製品のほとんど)、アンテナ内蔵となっている。つまり、こうしたノイズ対策に関しては、高い技術力と豊富な経験を持っているわけだが、今回のAterm WX6000HPでは、その効果をシミュレーターで検証し、しっかりと可視化しながら製品へ落とし込んでいるという。
 実際にシミュレーションの結果を見せてもらったが、アイソレーションアンテナがないと、チップからのノイズが基板の周囲を回るように広範囲に広がり、アンテナ部分にも達してしまっていた。が、アイソレーションアンテナを設置した場合には、それが見事にカットされ、基板周囲に設置されているアンテナには影響しないことがひと目で確認できた。これにより、ノイズはおよそ10分の1に削減されるという。
 ちなみに、ノイズは発熱の大きいチップを搭載すると大きくなる。「チップの発熱を抑えるために、大型のヒートシンクが必要です。ノイズはヒートシンクを伝わって広がるため、ノイズによる影響も大きくなります」(山口氏)ということで、ヒートシンクも放熱性能だけでなく、ノイズがなるべく伝わらないよう、その形状をかなり工夫しているということだ。
□電波に向きがある? 3直交アンテナのヒミツ
 小型化実現のカギとなる3つ目のポイントはアンテナだ。
 ノイズ対策が難しいのであれば、外付けという選択肢もあったが、開発チームには外付けという選択肢はなかったようだ。
 NECプラットフォームズの三浦健氏(アクセスデバイス事業部HW-PF開発グループ主任)によると、「開発は、アンテナは内蔵するとの前提でスタートしました。外付けにするとサイズが大きくなる上、デザイン的な制約もあるからです。しかし、単純に内蔵してしまえばアンテナの特性が制限されてしまうため、Aterm WX6000HPでは3直交アンテナを採用しています」とのことだ。
 三浦氏は続ける。「内部には、5GHz用が8本、2.4GHz用が4本、合計12本のアンテナが内蔵されていて、5GHzアンテナに3直交アンテナを採用しています。3直交アンテナは、1本で直交する3方向(x軸、y軸、z軸)の偏波を実現するアンテナです。これを効果的に配置することで、あらゆる向きに電波を出すことができます」という。
 3直交アンテナの仕組みを、三浦氏は詳しく解説してくれた。
 電波には向きがあり、例えば外付けのアンテナを垂直に立てた場合、電波は縦向きの波となる。電波は波とアンテナの向きが合わないと受信状態が悪くなるため、垂直に立てたアンテナから出た電波を完璧に受信するには、端末側のアンテナも

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク