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患者数増加の背景に3つの要因/健康連載(日刊スポーツ)

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患者数増加の背景に3つの要因/健康連載
[元記事]
<気になる前立腺の病気(4)>
前立腺の病気といえば、ことに中高年男性には悩みの種。それでいて前立腺の構造や働き、病気の原因、治療など知られていないことも多いのが実情です。ここでは、日本大学医学部泌尿器科学系主任教授の高橋悟氏(59)が、前立腺肥大症、前立腺がん、ED(勃起障害)などについて、わかりやすく説明します。【写真】前立腺と周辺の構造  ◇   ◇   ◇ 
前立腺の病気にはいろいろありますが、特に50歳代以降では「前立腺肥大症」と「前立腺がん」が、ともに患者数を大きく押し上げています。前者は、がんよりずっと有病者数が多く、50歳代で男性の約50%、60歳代で60%、以下70、80歳代でそれぞれ70、80%ともいわれています。言い換えると、各年代の有病率は、その年代数と等しく、男性が長生きすれば、ほとんどの人が前立腺肥大症になるというわけです。
前立腺の2大疾患である、もう1つの前立腺がんですが、有病者の絶対数は前立腺肥大症に比べて少ないものの、1年間に人口10万人当たり何例「がん」と診断されるか、を示した「がんの主要部位別罹患(りかん)率」の患者数でも、このところ上昇傾向が見受けられます。胃がんの患者数は減っているのに対し、前立腺がん、乳がん、大腸(結腸)がん、肺がんなどの有病者数が増加傾向にあるのです。
日本では従来、前立腺がんは少なかったのですが、このところ増加し、有病者数の上昇率は、ほかのがんを抜いて第1位です。この傾向は今後とも続くと予想されることから、前立腺がんは「21世紀のがん」ともいわれるほどです。
こうした前立腺肥大症と前立腺がんの増加の背景には、3つの要因があると考えられます。(1)高齢社会への変貌(65歳以上の高齢者が総人口に占める割合が02年の18・5%→50年の35・7%に達する)に伴う相対的な患者増(2)生活や食事の欧米化により、病気そのものが増えている(3)医療情報の普及により病気への関心が高まり、検査や受診機会が増えたことで発見率が高まった、というものです。
患者数が増えている半面、この2大疾患に対する治療の選択肢は大幅に拡大。前立腺肥大症では、「α(アルファ)1ブロッカー」という薬ができて、かなり治せるようになりました。前立腺がんでは、「PSA(前立腺特異抗原)」という、前立腺がんの検査用マーカー(検出指標)の開発があり、医療現場で普及しています。前立腺に異常があると、血液中のPSAが増えていることを示します。PSAは、03年の天皇(現上皇)陛下をはじめ、著名人の前立腺がんが報じられることもあり、一般の方にもよく知られるマーカーになりました。
◆高橋悟(たかはし・さとる)1961年(昭36)1月26日生まれ。日本大学医学部泌尿器科学系主任教授。85年群馬大学医学部卒。虎の門病院、都立駒込病院などを経て05年(平17)から現職。東大医学部泌尿器科助教授時代の03年、天皇(現上皇)陛下の前立腺がん手術を担当する医療チームの一員となる。趣味は釣り(千葉・飯岡沖の70センチ、3キロ超のヒラメが釣果自慢)と登山、仏像鑑賞。主な著書に「ウルトラ図解 前立腺の病気」(法研)「よくわかる前立腺の病気」(岩波アクティブ新書)「あきらめないで! 尿失禁はこうして治す」(こう書房)など。

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