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遺伝リスク3・5倍「肥大症」/健康連載(日刊スポーツ)

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遺伝リスク3・5倍「肥大症」/健康連載
[元記事]
<気になる前立腺の病気(6)>
前立腺の病気といえば、ことに中高年男性には悩みの種。それでいて前立腺の構造や働き、病気の原因、治療など知られていないことも多いのが実情です。ここでは、日本大学医学部泌尿器科学系主任教授の高橋悟氏(59)が、前立腺肥大症、前立腺がん、ED(勃起障害)などについて、わかりやすく説明します。
  ◇   ◇   ◇ 
中高年男性の尿トラブルの多くは前立腺肥大症です。ここでは「前立腺肥大症とは?」についてお話しします。
思春期までに重さ20グラムほどに成長した前立腺が、40~50歳代を過ぎると、一方で大きくなる男性と、逆に小さくなる男性がいます。いずれも病気というより、加齢による生理的変化で、前者を「肥大」といって区別しています。比率でいえば、肥大する人のほうが過半で、縮小する人は1割ほどでしょう。
前立腺の肥大は、その名のとおり前立腺が大きくなる(肥大する)病気です。肥大は、前立腺の中心部に近い尿道周辺の内腺で起きます。対して、前立腺がんは、まず外辺部の外腺に発生するのが一般的です。
内腺が肥大すると、年齢を重ねるにつれ、前立腺中央部を通る尿道へ物理的に圧力がかかり、口径が狭くなってきます。また肥大により「α(アルファ)1受容体」(アドレナリンと結合する受容体タンパク質の1つ。血管・尿路などの平滑筋に存在する)の絶対量が増え、その影響が尿道にも及び、収縮しやすくなります。こうした結果、排尿障がいが起きるようになると、これが前立腺肥大症という病気なのです。
おもしろいのは、必ずしも前立腺が大きいほど排尿障がいが強いわけではないことです。逆に小さい前立腺でも、50歳代で排尿障がいが始まることもあれば、前立腺は大きいのに、70歳を過ぎても何の症状も出ない人もいます。排尿障がいの出方はこのように個人差が顕著です。ですから、前立腺肥大症については、「重量何グラムから」といった定義はありません。こういう症状が出てきて、本人が不自由を感じたり、生活に支障が出てくると、それを病気の始まりとします。
この個人差はどこから来るのでしょう? そこには、性ホルモンの影響や遺伝、食生活などの要因があるとされています。前立腺は、男性ホルモンのテストステロンの影響を受けています。テストステロンは思春期に精巣が成熟するとともに分泌量が増えます。が、加齢とともにこの分泌が減少、女性ホルモンとのバランスが崩れるなかで前立腺が肥大するのです。遺伝では、父親が前立腺肥大症の手術を受けた人は、そうでない人に比べ3・5倍、兄弟なら6・1倍、前立腺肥大症のリスクが高いことがわかっています。
食生活では、大豆や野菜に多く含まれるイソフラボンやリグナンは女性ホルモンのエストロゲンに似た作用をもちますが、前立腺肥大症を抑えると考えられています。また、肥満やメタボリック症候群も前立腺の肥大と関連がある、とされています。
◆高橋悟(たかはし・さとる)1961年(昭36)1月26日生まれ。日本大学医学部泌尿器科学系主任教授。85年群馬大学医学部卒。虎の門病院、都立駒込病院などを経て05年(平17)から現職。東大医学部泌尿器科助教授時代の03年、天皇(現上皇)陛下の前立腺がん手術を担当する医療チームの一員となる。趣味は釣り(千葉・飯岡沖の70センチ、3キロ超のヒラメが釣果自慢)と登山、仏像鑑賞。主な著書に「ウルトラ図解 前立腺の病気」(法研)「よくわかる前立腺の病気」(岩波アクティブ新書)「あきらめないで! 尿失禁はこうして治す」(こう書房)など。

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