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日本国内では新型コロナウイルス(Covid-19)の新たな感染者の広がりがいくぶんはスローダウン。一斉休校などの非常措置も近いうちには解除され、またプロ野球やJリーグのような屋外で行われる比較的感染リスクの低いスポーツ・イベントも再開されていくことだろう。リスクがゼロになるのを待つことなく、次第に活動を再開しないことには、経済的なダメージが大きくなりすぎる。
一方で、最近は感染がヨーロッパ大陸で拡大。とくにイタリアでの状況は悪化の一途をたどっており、イタリアでの死者数がすでに中国におけるそれを上回ってしまったという。
2月末にJリーグが中断となり、当初は「それでは」というのでヨーロッパ・サッカーを普段よりも一生懸命観戦していたものだったが、今ではヨーロッパのサッカー界も完全にストップ。イタリアのセリエAをはじめ、各国の国内リーグやチャンピオンズリーグの再開は見通しがまったく立っていない。
さらに、今年の夏に予定されていたヨーロッパ選手権(EURO)とコパアメリカの延期がすでに決まった(どちらも2021年に開催される見通しで、それに伴って2021年にFIFAが計画していた24チーム参加のクラブ・ワールドカップも延期されるらしい)。もし、ヨーロッパ各国の国内リーグなどが再開できれば、本来はEUROが予定されていた6月を使って残りの日程が消化されることになるのであろう。
さて、3月には日本代表のワールドカップ予選(ミャンマー戦、モンゴル戦)と東京オリンピックを目指すU-23代表の強化試合が予定されていたが、当然のことながら日程はすべて延期または中止となった。FIFAとAFCの声明によれば、6月の国際マッチウィークも順延となる公算が強い。
今回のコラムでは、こうした日程の変化が日本代表強化に与える影響について考えてみたい。
ワールドカップ予選の延期は、日本代表にとってはありがたいことだったような気がしている。