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アップル新型iPad Pro マウスとARの再発明(アスキー)

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アップル新型iPad Pro マウスとARの再発明
[元記事]
アップル新型iPad Proレビュー。1台だけで仕事ができるほどのスペックをもち、パソコンのように「カーソル」も使える。LiDARスキャナを使えばストレスなく現実空間のスキャン(測距)ができる。コンピュータの未来像に近づいた1台だ。【もっと写真を見る】

 MacBook Airに続いて、iPad Pro (Early 2020)のレビューです。今回のiPad Proは「フィジカルインターフェイス祭り」ですね。
 
 今回感動したのは、iPadOS 13.4でサポートしたトラックパッド。iPad Pro以外のiPadOS 13.4対応デバイスでも同様に利用できるため新型iPad Pro自体のポイントではありませんが、少し詳しく触れたいと思います。
 
 また、新たに搭載されたLiDARスキャナ。こちらも新しいインターフェイスとして活用が進む可能性を秘めています。それではさっそく見ていきましょう。
 
●iPad Proだけでワークフローが完結する仕様
 iPad Proは2018年10月、ちょうどMacBook AirやMac miniとともにフルモデルチェンジを遂げたタブレットです。アップルは発表会で「モバイルコンピュータとして最大の出荷台数」と指摘したとおり、タブレットというアップル以外のメーカーが消えゆくカテゴリではなく、コンピュータとして勝負していることをアピールします。
 
 2020年モデルのiPad Proは、2018年モデルのマイナーチェンジ。縁なし液晶のLiquid Retinaディスプレイ、Face IDとポートレート撮影に対応するTrue Depthカメラ、本体側面にくっつけて充電するApple Pencil(第2世代)、よりソリッドになったアルミニウムボディなどは踏襲され、ハードウェア上の違いは以下に絞られます。
 
・グラフィックスコアが1つ増え、熱設計を見直したA12Zプロセッサ
・1200万画素広角カメラ
・1000万画素超広角カメラを備えた新しいカメラシステム
・機能向上したTure Toneフラッシュ
・5mまでの正確な測距を実現するLiDARスキャナ
・2つから5つに増加し、動画のステレオ録音に対応する新しいスタジオ品質マイク
・Wi-Fi 6とギガビットLTEのサポート
 
 Geekbench 4での計測は平均してシングルコア5000前後、マルチコア1万8000前後。Metalは4万5500前後。Metalはスコアがわずかに向上していますが、プロセッサはA12Xとほぼ変わりません。
 
 特にカメラとマイクの向上、ワイヤレス通信の充実は、iPad Proでの撮影 編集 アップロードという、iPhoneやデジタルカメラなしでの軽快な動画作成のワークフローを完結させてくれます。もちろんこだわればどこまでも言ってしまう世界ですので、「iPad Proだけでやる」と決めてしまっても良いのではないか、と思いました。
 
●マウスカーソルの再発明 Macにも逆輸入してほしい
 iPad Proと共に登場するiPadOS 13.4のトピックは、マウスやトラックパッドのネイティブサポートです。これまでは、タッチを代替する「アクセシビリティ」機能として位置づけられてきましたが、iPadOS 13.4では新たにシステム標準として、ポインティングデバイスがサポートされました。
 
 「設定」「Bluetooth」で新しいデバイスを探して認識させるとすぐ使えるようになります。今回はMagic Keyboard 2を使いました。
 
 認識されたMagic Keyboard 2に指を置くと、画面にグレーの指先ほどの点が表示され、これを画面内で自由に動かすことができます。画面を自分の指で触れるとすぐに点は消え、再びトラックパッドに触れるとすぐに表示される、という仕組みです。
 
 PCやMacで使っているマウスがiPadに持ち込まれた、と思って使いはじめると、まったく別の存在になっていました。マウスカーソルが少し賢いのです。
 
 たとえばホーム画面で動かすと、少しラフにポイントしても、アイコンに吸いついてくれます。さらに横に動かすと、次のアイコンに吸いつくといった具合で、クリックする必要がある場所に吸い寄せられます。アプリの中でボタンや、ボタンとして機能するテキストにも同様に吸いついてくれるため、マウスポインタを神経質に動かす必要がなくなりました。これは快適。Macにも吸いつく賢いポインタを逆輸入してほしい、と思うほどです。
 
 さらに、ジェスチャーはiPad Proの画面操作とほとんど共通です。
 
・3本指で上にスワイプしてホームスクリーンへ移動
・3本指で上にスワイプして止めるとアプリ切り替え画面
・3本指で左右になぞってアプリ切り替え
・2本指で右クリック
・画面下部のバーをポイントしてクリックすればホーム画面に1クリックで戻る
・右上をポイントするとコントロールセンター
・左上をクリックすると通知センター
・画面下にカーソルを押しやるとDock表示
 
 また、テキストや表計算のセル、Keynoteのオブジェクトなど、指で扱いにくかった細かい部分も、この吸いつくカーソルで正確に操作することができました。
 
●Magic Keyboard 気になるのは電池持ちと重量
 iPad Proの小幅な変更以上に注目されたのがiPad Pro向けMagic Keyboard。こちらは5月発売がアナウンスされており、今回のレビューでは試せませんでした。
 
 2018年モデルの11インチ、12.9インチiPad Proから利用できる新しいアクセサリには、MacBook Pro、MacBook Airに採用されたMagic Keyboardとトラックパッドが備わっており、iPad Proには背面のSmart Connectorを通じて接続され、Smart Keyboard Folio同様磁石で固定される仕組み。
 
 これを装着することによって、iPad ProはiMacのような立ち姿で宙に浮く形で固定され、マウスとキーボードが利用できるコンピュータになります。今回Magic TrackPad 2をiPadの脇に置いて使ったのですが、Magic Keyboardを使えば、トラックパッドを別に持たなくても、マウス操作が可能になります。
 
 バックライト付きのキーボードは出張時の飛行機の中などで便利そうな反面、iPad Proから電力供給がされるため、どれだけバッテリー持続時間に響くかはまだ分かりません。また、宙に浮かせて、絶妙な角度で固定できるため、それなりの重さがなければ倒れてしまいます。
 
 このあたりは、5月が近づいたら、再び実機レビューしたいと思います。
 
●LiDARスキャナは効果絶大 平面認識の手間いらず
 もう1つ、iPad Pro 2020年モデルの目玉は、新しいカメラモジュールに配置されたLiDARスキャナです。光を発して、反射して戻ってくるまでの時間を計測し、5m先までの正確な距離を測ることができる仕組みで、宇宙技術などにも活用されています。
 
 iPad ProやiPhoneの画面側についているTrueDepthカメラは、赤外線のドットを照射して顔の凹凸を計測する仕組みで、顔認証の他に、顔の表情を読み取ったり、顔にメイクや動物などを重ねるAR活用などを実現していました。
 
 LiDARスキャナはより離れた距離まで計測できるようになり、顔ではなく空間を認識するために使われます。
 
 その効果は絶大で、現状唯一対応する「計測」アプリでは、使い始める際にデバイスを動かして平面認識させる必要がなくなりました。また平面、垂直面、斜めの面なども瞬時に正確に認識してくれるため、なんとなく空間を眺めるのではなく、非常に正確に空間を認識していることが伝わってきます。物体の端を認識して正確にポイントできる点が便利になりました。
 
 iPadOS 13.4ではARKitも3.5にバージョンアップされ、LiDARスキャナの活用やシーン分析、平面や表面の特定などを行うことができるようになります。
 
 まだARアプリ全般をiPad Proで試せたわけではありませんが、平面の特定のタイムラグがなくなり、部屋の明るさなどの制約も取り払われそうで、ARアプリの活用度がより拡がっていく可能性を感じることができます。AR体験は発展途上ですが、これまでの常識を一新した再発明をもたらしてくれると期待が持てます。
 
●コンピュータの未来像に近づいたiPad Pro
 小幅に見える今回のiPad Pro刷新。しかしコンピュータの未来像には着実に近寄ったという印象を受けました。
 
 おそらくデザインは、今後当面、現在の姿を維持することになるはずで、だから3万円を超える価格のMagic Keyboardをアクセサリとして登場し、もう数世代利用し続けられる前提にしたのではないかと思います。そうでなければちょっと高いと感じてしまいますし。
 
 iPad Proをスタンドに立て、Magic Trackpad 2とBluetooth接続のHHKB(キーボード)をつないでも、おそらく非常に快適な作業環境を実現できるでしょう。これらをバラバラと持ち運ぶのは骨が折れますし、そもそもiPad Pro用Magic Keyboardより合計金額は高くなってしまいますが。
 
 キーボードとマウスといった入力装置でノートパソコンに遜色ない選択が可能になったことを考えると、Geekbench 4で1万8000をたたき出すコンピュータが、わずか641g(12.9インチWi-Fiモデル)、薄さ5.9mmに収まっていること自体、既に未来だと評価すべきかもしれません。
 
 加えて、未来のコンピュータは空間を測ることができる、周辺環境を生かして体験を作り出す、それらを記録して共有できる、というコンセプトは、これまでのPCでは考えられなかった「機能」を与えてくれています。
 
 もちろん近い将来、これがエントリーレベルのiPadやiPhoneでも実現できるでしょう。しかしコンテンツを作る人、未来を切り拓く人にとって、今iPad Proを使う必要がある、と断言できます。
 
 
筆者紹介――松村太郎
 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
 
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
 
文● 松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

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