スポンサードリンク

「初期のGoogle マップにあって、今は無くなったメニュー」が物語る、地図の使われ方の変化(Impress Watch)

スポンサーリンク
スポンサードリンク

「初期のGoogle マップにあって、今は無くなったメニュー」が物語る、地図の使われ方の変化
[元記事]
 地図サービス「Google マップ」の15周年を記念し、Googleが2月14日、都内で記者説明会を開催した。この説明会には、米GoogleでGoogle マップ担当シニアバイスプレジデントを務めるジェン・フィッツパトリック(Jen Fitzpatrick)氏が来日し、同サービスの15年の歴史や機能の進化、そして最新のアップデート情報について語った。【この記事に関する別の画像を見る】 同氏は20年前にGoogleの最初のインターンシップに参加し、同社初の女性エンジニアとして、Google検索などさまざまなサービスを担当してきた。2009年からはGoogle マップを担当し、現在はGoogle マップのチームを率いている。
■「Google マップ」が起こした数々のイノベーション
 フィッツパトリック氏は冒頭で、「オリンピックの開催で盛り上がっている日本に来られてうれしいです。これから、およそ4000万人が東京を訪れると思いますが、そういう人たちが非常に複雑な東京の交通システムを簡単に使いこなし、さまざまなスポットを発見してもらうために私たちは役に立ちたいと思います」とあいさつし、Google マップが先日、15周年を迎えたことについて触れた。
 「少し前まで私たちは、紙の地図の最新版を用意してマーカーで線を引き、それを一所懸命に見て迷わないようにしました。Google マップを使うときも、プリントアウトした紙を見ながら運転していましたが、2008年になってモバイルのGoogle マップが登場。この状況が変わり、エクスペリエンスがとても向上しました。私たちは地図だけではなく、関連情報も含めて全てポケットやバッグに入れて持ち運べるようになりました。今ではそれが当たり前となり、これによっていろいろなシフトが起きたことはとてもすばらしいと思います。以前は外出前にあらかじめ計画しなければいけなかったのが、旅行中や運転中にリアルタイムにいろいろな情報を収集できるようになりました。」
 続いてフィッツパトリック氏は、Google マップが過去にどのようなイノベーションを起こしたのかについて語った。
 「ストリートビューの車を世界で初めて導入したのは私たちです。これによって現地の状況を、そこへ行かなくても映像で見られるようになりました。また、Google マップでは交通情報をリアルタイムで把握できるようにしました。どこで渋滞が起きて、工事がどこで行われているか、ミーティングに間に合うためには何時に家を出たらいいのか――といったことが分かるようになりました。さらに、新機能の『ライブビュー』では、周囲に何があるのかを視覚的に把握することができるようになり、これによって新しいエクスペリエンスを作ろうとしています。」
 「Google マップは過去15年間、多くの進化を遂げてきました。今日、Google マップは220カ国以上において非常に質の高い地図を作り上げています。ユーザーは日々、Google マップを使って運転しており、その総計は約10億kmに上ります。そこには質の高い情報が収録されており、約2億件のスポットがさまざまな情報やレーティングを受けています。」
 「Google マップを使っていると、世界が本当に毎日変わり続けていることが分かります。かつてGoogle マップは運転するときに使うものでしたが、今では歩いて移動するときや公共機関を使うとき、自転車に乗るときにも使われるようになっています。今日では、スクーターやライドシェアリングなどの新しい交通も利用されています。ユーザーは複数のさまざまな交通機関を利用し始めており、例えば、次に電車が来るのは何時で、この場所で何分待てばいいのかをユーザーは知りたいと思っています。複数の種類の交通機関を使うときにも、それらをまとめて1つのジャーニーとして調べられるようになり、どの選択肢を使うのが一番いいのかを検討できるようになったのもGoogle マップのメリットの1つです。」
■機械学習によって効率的な地図制作が可能に
 フィッツパトリック氏はこのようなGoogle マップの進化に加えて、ユーザー側の地図に対するニーズも変わってきたことを説明した。
 「今やユーザーの質問のかたちが変わりつつあります。数年前、ユーザーがGoogleで行うのは、レストランの名前を入れて電話番号を調べたり、ウェブサイトを探したりといったことでした。今ではそれだけではく、もっと長く難しい質問をするようになりました。例えば『ここからホテルまでの間に良いラーメン屋はあるか』『その店では待ち時間はどれくらいか』『人気メニューは何か』といった複雑な質問です。だからこそ、私たちは情報をもっと集めて、そのような質問に答えられるように努力をしています。」
 「そこで大変役に立っているのが、ユーザーのコミュニティです。今日では、2000万ものコンテンツが日々、Google マップのユーザーコミュニティであるローカルガイドによって投稿されています。レーティングやレビュー、写真、その場所に関する質問に対する回答など、約1億2000万のユーザーがコミュニティの一員として、地域ごとに必要な情報を提供しています。」
 もう1つの大きな変化として、フィッツパトリック氏は機械学習による地図制作についても紹介した。
 「ここ数年で非常に大きなシフトだと思うのは機械学習です。この技術によって私たちは新たな方法で地図を効率的に作れるようになり、これまで地図がなかったような地域まで、質の高い地図を短時間で提供できるようになりました。これは本当にエキサイティングであり、“世界中で質の高い地図を作る”という私たちの目標を達成できるようになりました。Google マップで私たちが目指しているのは、世界中でナビゲーションを支援することであり、まだまだ私たちができることはたくさんあると確信しています。」
■新機能「Local Favorites」が登場、“地域の人気店”が分かる
 フィッツパトリック氏は、Google マップで先日、新たに追加された新機能についても説明した。リニューアルされたGoogle マップでは、画面の下部に「スポット」「経路」「保存済み」「投稿」「最新」の5つのタブが加わった。
 「スポット」では、レストランや街のランドマークなどの情報や評価、レビューなどを確認できる。フィッツパトリック氏は、この日に追加された新機能「Local Favorites」についても紹介した。これは“地域の人気店”が分かる機能で、現在は渋谷区、新宿区、中央区、港区、千代田区のランキングを確認できる。
 「経路」では、車や公共交通を使ったルートを確認できる。「保存済み」は、これまで保存した気になるスポットに簡単にアクセスできる機能で、前に予約した店や印を付けた場所などをまとめて整理できる。「投稿」は、道路や住所、地図に載っていない場所などの情報を簡単に共有できる。「最新」では、地域の専門家から提供されるトレンドやスポットのフィードにアクセスできる。
 このほか、公共交通機関において、空調の状況やバリアフリー関連の情報、女性専用車両の有無、セキュリティスタッフや監視カメラ、非常電話の有無などを調べられるようになったほか、「ライブビュー」において目的の施設への距離や方向を確認できる機能が追加されることも紹介した。
 「Google マップはこれまで15年間かけて大きく躍進してきました。世界中の地域をマッピングし、ユーザーに対していろいろな機能を提供しました。ナビゲーションだけでなく、いろいろな機能があり、自宅を出て、デバイスを持っていれば自信を持ってプランニングを行えます。私たちの究極の目的は、現実世界を全て把握できるようにして、ユーザーに問われていることを全て答えられるようにすることであり、さまざまなシチュエーションにおいてユーザーが何かを成し遂げるための手伝いをしたいということです。私たちも未来に対してとても期待しており、次の15年も邁進していきたいと思います。」
■フィッツパトリック氏と東京チームによる質疑応答
 フィッツパトリック氏のスピーチに続き、同氏は記者らのさまざまな質問にも答えた。このラウンドテーブルには、東京オフィスで活動するGoogle マップチームの後藤正徳氏(シニアエンジニアリングマネージャー)とアラン・ロジャース氏(プロダクトマネージャー)も同席した。以下、主なやりとりを紹介する。
□「Google マップ」が新鮮であるために、どのような技術が使われているか?
フィッツパトリック氏:
 Google マップの情報が常に新鮮であるためには、いくつかの技術が使われているわけですが、最も大きいのはユーザーからの投稿です。スポットが新規オープンしたときに、ユーザーからそれに関する情報を投稿してもらうことによって、情報が拡充するわけです。もう1つは、常にマップをフレッシュしていくために、自動化、機械化ベースのアプローチを取っていることです。長年の間、地図制作は手動でしたが、ストリートビューや衛星写真、匿名化された情報の収集、渋滞情報など、全てを組み合わせて機械学習を行うことで、自動的にさまざまなことを学習してアップデートしています。ビルの形状は機械学習によって早く追加できるようになったし、建築中の建造物や道路などについても、「もしかしたら建築が始まっているかもしれない」ということを機械で予測することができるようになりました。
□「Google マップ」の収益化について将来の展望は?
フィッツパトリック氏:
 Google マップには2つの主な収入源があります。1つはAPIなどのGoogle マッププラットフォームで、その地域の事業者に対して自分たちのエクスペリエンスを紹介したり、ライドシェアリングやゲームの会社が活用してサービスを行ったりすることです。もう1つは広告で、検索の結果として出てくる広告だけでなく、新しい試みとしてローカルベースの広告があります。例えば地元の会社が「当社はこういうサービスをやっています」と宣伝することですが、これについては意図的にゆっくりと進めています。その理由は、広告が地図の邪魔になってはいけないからです。エンドユーザーにとって地図サービスは良いエクスペリエンスでなくてはならないので、テストをしながら慎重に進めています。
□ローカルガイドが提供する情報の信頼性や中立性をどのように高めている?
フィッツパトリック氏:
 マップの情報が質が高く正確なものであるかどうか、私たちはこの課題に多くの時間を割いています。地図制作と同様に、情報の信頼性を確認するにはいろいろな方法があり、さまざまな種類の情報を使って整合性を図っています。例えば、ある1つの施設について、複数のユーザーからの情報を比較したり、地域の事業主に連絡して、本当にそれが正しいのか確認したりすることもあります。また、ストリートビューの映像を確認して、ある店が本当に閉店したのか、今も営業しているのかどうか、混んでいるかどうか、といったこともストリートビューで確認できます。その場所はとても混雑しているのに、「これは閉店したよ」と誰かが投稿したとしても、それが間違いであることを確認できます。このような技術には継続的に投資をしており、これから先も常に努力していかなければならないと考えています。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク