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これで安心! HGWがDS-Liteに対応しても外付けルーターでの接続もOK! インターネットマルチフィードに聞くtransixの今(Impress Watch)

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これで安心! HGWがDS-Liteに対応しても外付けルーターでの接続もOK! インターネットマルチフィードに聞くtransixの今
[元記事]
 2020年2月13日、NTT東西から「フレッツ 光ネクスト」契約者向けに提供されているホームゲートウェイ(HGW)の「DS-Lite」対応が発表された。【この記事に関する別の画像を見る】 これで、誰もが手軽に「transix」のサービスを利用できるようになった一方、MAP-Eではなく、あえて“DS-Lite”を選んでいる筆者のような既存ユーザーは、1つの不安を覚えた。「今使っている外付けルーターはどうなるんだろう?」。そんな疑問をtransixを提供するインターネットマルチフィード(MFEED)に聞いてみた。
■2015年以降は順調な伸び
 「インターネット接続が遅い!」
 そんな従来のPPPoE方式のインターネット接続サービスに対する不満から、IPoE方式のIPv6接続およびIPv4 over IPv6を併用するインターネット接続サービスに移行する人が増えてきている。
 MFEEDは、そんな新しい時代のインターネット接続サービスを支える事業者の1つだ。
 と言っても、なかなかピンと来ないかもしれないのは、あまり表に出てくることがないVNE(Virtual Network Enabler)事業者だからだ。
 従来のフレッツ光を用いたインターネット接続サービスは、NTT東西によって回線が提供され、インターネット接続やメールなどのサービスはISPによって提供されてきた。
 VNEはこれに対して、この中間に位置するB2Bの事業者と位置付けられるだろう。ISP各社に対し、IPv6接続サービスを提供する役割を担っているわけだ。
 IPv4 over IPv6サービスには、DS-Lite方式を利用するものと、MAP-E方式を利用するものの2種類が存在するが、MFEEDは、「transix」というサービス名で、DS-Lite方式のIPv4 over IPv6サービスを提供している。
 transixという名称は、実際に顧客にサービスを提供するISPでも使われている。このため、直接には同社の存在を意識することはないだろうが、実は裏方を支える実質的な事業者ということになる。
 そんな同社の状況について、インターネットマルチフィード株式会社技術部次長の中村純一氏は、次のように話してくれた。
 「2011年にtransixのサービスを開始してから、しばらくは横ばいだったのですが、2015、2016年ごろから、ほかのVNE事業者の参入もあって市場が活性化しはじめ、右肩上がりに加入者が増えました。おかげさまで、今でも順調な伸びとなっています」ということだ。
 transixというと、IIJmioが提供するインターネット接続サービスが広く知られているが、インターネットマルチフィード株式会社営業部次長の橘賢一氏によると「NTT-ME様の『WAKWAKインターネット』など、さまざまなかたちでユーザーの皆さんへご提供いただいていますし、ISP各社様からも、さらに再販のかたちで提供されています。このほかに法人向けのサービスなど、さまざまなかたちで提供させていただいています」と、その広がりも示された。
■フレッツ・ジョイントでtransix対応の設定が降ってくる
 そんなMFEEDのtransixが、冒頭でも触れたように、NTT東西のHGWから直接接続できるようになる。
 2月13日付の記事『NTT東西のホームゲートウェイ4機種がtransixに対応、v6コネクトは3月1日から』で報じたように、モデルによって提供時期はまちまちだが、先行して「PR-600MI」「PR-600KI」「RX-600MI」「RX-600KI」の4機種が対応し、3月上旬に「PR-500MI」「PR-500KI」「RT-500MI」「RT-500KI」の4機種と、NTT東のみが提供している「RS-500MI」「RS-500KI」の2機種が対応予定だ。
 これまで、transixのユーザーは、IPv6上でIPv4を実現するため、DS-Liteに対応した市販のルーターをHGWに接続しなければならなかった。だが、今回の対応により、IPv6だけでなく、IPv4の通信がHGWのみで可能になるわけだ。
 このため、今からtransixを契約するユーザーなら特別な投資は不要で、接続や設定の必要もないことから、利用の敷居が格段に下がったことになる。
 その一方で心配なのは、筆者も含めた既存のユーザーだ。
 前述したように、すでにtransixを使っているなら、HGW配下に市販のルーターを接続して利用しているはずだ。そうした場合に、当然ながら「接続方法の変更や設定変更は必要なのか?」「そもそも外付けルーターで接続できなくなるのか?」という疑問が沸いてくる。
 インターネットマルチフィード株式会社技術部の加藤浩平氏は、その仕組みを次のように紹介してくれた。
 「技術的には、『フレッツ・ジョイント』を使ってDS-Lite接続用のプログラムを配信する仕組みとなっています。5世代(500番台)のHGWでは、あらかじめファームウェアをtransix対応のものへとアップデートした後、フレッツ・ジョイントでHGWに配信されたプログラムを使い、自動的にDS-Liteでのトンネルを張ってIPv6上でIPv4の通信が可能になります」とのことだ。
 フレッツ・ジョイントによるプログラムの配信は、すでにMAP-E方式を利用するv6プラスなどで利用されている方法だが、筆者にとっては、この“フレッツ・ジョイント”にはトラウマしかない。
 詳しくは、こちらの記事を参照してほしいが、HGW側でMAP-E接続をオフにし、配下に接続した市販ルーターからMAP-E接続をすることに苦労し、結局できずにv6プラスを解約した経緯がある(今は改善されたという話も聞いているが、筆者は未確認)。
 こうした体験をしている筆者を含め、現状のtransixユーザーの中には、市販のルーターを自由に使えるからこそ、あえてDS-Lite方式のtransixを選んでいる人も存在するはずだ。
 「フレッツ・ジョイント」という言葉を聞き、その自由が再び失われるのかと、一瞬、恐怖してしまった。
 しかし、結論から言えば、その心配は無用だ。
 加藤氏によると、「弊社でもさまざまな状況でのテストを行っており、そのための対策も済んでいます。例えば、HGWと市販のDS-Lite対応ルーターの両方が接続されている環境があるとしましょう。この場合、その両方でDS-Lite接続が有効になっていても、HGWだけDS-Liteが有効になっていても、あるいは従来通り、市販のルーター側だけでDS-Liteが有効になっていても、いずれの場合も問題なく接続できることを確認しています」とのことだ。
 また、「接続に関しては、ルーターメーカー側の仕様にもよるため一概には言えませんが、弊社が検証した限り、基本的にHGWとルーターの両方でDS-Liteが有効になっている場合、基本的には配下のルーター側でDS-Liteのトンネルを張るようになっています」という。
 しかも、「もちろん、HGW側でDS-Liteの有効と無効を切り替える設定もできるようになっています。このため、市販のルーターでDS-Lite接続をしたい場合は、HGW側のDS-Liteを無効にすれば対応可能です」という。
 ここまでについて、大切な点をまとめておこう。つまり、こういうことになる。
・エンドユーザー側が何かしらの対策をしなければならないことはない
・HGWのDS-Liteを無効化することができる
 とは言え、実際のサービスで、どのように運用されるかは、まだ未確定な部分もあるという。
 橘氏によれば「最終的な方法や提供時期はISP側からの発表次第になる」という。既存のユーザーが何もせずに、そのままHGWでDS-Liteが利用可能になるのか、それとも申し込みが必要になるのか、提供時期はいつになるのかといった点は、現在契約しているISP側からの発表を待つしかないだろう。
 DS-Liteはすでに海外メーカー製ルーターの一部で対応が進んでいるが、こうしたルーターメーカーとの協業は、現状も積極的に進めているという。今回の仕組みの採用により、さらに市販のルーターを使いやすくなる環境の整備が進みそうだ。
■transixならではの拡張性の高さも魅力
 というわけで、今回のHGWのDS-Lite対応は、歓迎すべき対応となりそうだ。
 これからtransixに加入するユーザーなら、外付けルーターを別途購入する必要がなくなり(今後登場するHGWは基本的にすべて対応予定とのこと)、既存のユーザーでも、構成変更が発生したりルーター選択の自由が奪われたりすることもない。
 DS-Lite方式のtransixは、手軽さという点でライバルのMAP-E陣営に先行されていたが、単に手軽なだけでなく柔軟な構成を可能にすることで、サービスとしての価値を高めることに成功したと言えるだろう。
 なお、transixならではの特徴については、「transixでは、ユーザー宅の機器の性能に依存せず、こちら側でNATに割り当てるポート数(NATのセッション数)を増減したり、帯域を細かく調整することができます。このため、実際にサービスを提供するISP側のニーズに細かく合わせたサービスを提供できます」(中村氏)という点もメリットになるという。
 もちろん、今後、提供が予定されている10Gbps対応の「フレッツ 光クロス」での対応も視野に入れており、VNEとしてISPからサービスの提供をサポートする準備も進めているとのことだ。
 最後に、これからのtransixサービスについて聞いてみた。
 中村氏は、「理想としては、例えばこれから10年ほどの年月が経過したとき、『DS-Liteって何?』と忘れられるほど、IPv6が普及した世界になっていることを目指しています。そのために、今、いかに移行しやすい環境を作るかが我々に課せられた課題であり、transixがその助けになればいい思っています」という。
 なかなか表に出てくることがない裏方を支える事業者だが、新しい時代のインターネットを作るために、一歩ずつ努力を重ねているという印象を受けた。

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