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香川県「ゲーム規制条例」パブコメ回答まとめ 依存症の調査に1998年のテストを使用 根拠は「あると考える」と“お気持ち回答”連発(ねとらぼ)

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香川県「ゲーム規制条例」パブコメ回答まとめ 依存症の調査に1998年のテストを使用 根拠は「あると考える」と“お気持ち回答”連発
[元記事]
 香川県で検討されている「ネット・ゲーム依存症対策条例」制定に関する決議が3月18日に迫るなか、前日となる17日、条例案に寄せられた意見(パブリックコメント)と県議会の回答が公式サイトにて公開されました。【画像】1998年の質問項目をそのまま使用、大丈夫? 現代の「インターネット依存」の状況を調査するために1998年に作られたテストを用いていること、“ゲームが原因で成績が低下する”といった因果関係については依然として科学的根拠を示していないことなど、資料から明らかになった内容をまとめます。
1998年のテストで「インターネット依存度」を調査
 公開された資料では、賛成意見1ページに対し、反対意見および香川県の回答が81ページに渡りまとめられています。まず注目したいのは、依存症の実態についての委員会の考え方です。
 「香川県内で実生活に支障が出るほどのゲーム依存を患っている子どもの具体的な数は把握しているのか。また、依存症とされる人たちの生活実態等についてはどの程度調査されているのか」といった反対意見が寄せられるなか、委員会は以下のようにコメントしています。
 香川県教育委員会が平成29年に実施した「スマートフォン等の利用に関する調査」において、「ネットに夢中になっていると感じる」「ネットの利用を制限しようとしたがやめられなかった」「使い始めに思ったよりも利用時間が長い」といった項目に多く該当し「ネット依存の傾向にある」と考えられる生徒の割合は、中学生では3.4%、高校生では2.9%となっているという調査結果が出ています。 (資料4ページ)
 一見するともっともらしい回答に思えますが、ここで委員会が挙げた「スマートフォン等の利用に関する調査」を見てみましょう。
 同調査資料によれば「あなたはスマートフォンやゲーム機などを利用していて、次のようなことがありますか」という質問に対し、「ネットに夢中になっていると感じる」など8項目中5項目以上に該当した者はネット依存症傾向にあると認められるそうです。
 この手法は心理学者であるKimberly Youngが1998年に発表した論文で使われたもの。
 1998年といえば、スマホどころか家庭用PCすら普及する以前。インターネット利用の方法や目的は現在と全く異なります。そのような時代に作られたテストを、スマホネイティブ世代の若者にそのまま適用することは果たして妥当なのでしょうか?
 そもそも、反対意見では「ゲーム依存を患っている子供の数」について聞いているにもかかわらず、委員会の考え方は「ネット依存の実態調査」について論じており、質問に対する回答として不適切です。
ゲーム時間と成績に“因果関係”はあるのか? → 委員会「我々はあると考える」
 “相関関係”・“因果関係”という言葉があります。“相関関係”とは「Aが多いとき、Bも多い傾向がある」という関係のこと。前後を入れ替えて「Bが多いとき、Aも多い傾向がある」としても成立します。
 一方で“因果関係”とは、原因と結果の矢印がある関係のこと。すなわち「Aが原因となってBという結果になる」という一方通行の関係です。
 委員会は以前より「ゲームをたくさん遊ぶ子どもは学業成績が低い」というデータを条例の根拠として用いてきました。しかし、これが“相関関係”か“因果関係”かは分析してみなければ分かりません。
 すなわち「ゲームを遊んだ結果として成績が悪くなる」のではなく「成績が悪くなった結果としてゲームを遊ぶようになる」という逆の矢印が働いている可能性もあるのです。だとすれば、ゲームを規制したところで成績が良くなるとは限りません。
 あるいは、何か別の原因(素行不良、いじめなど)があり、それがゲームと成績の両方に影響を及ぼしている可能性も考えられます。
 だからこそ、多くの有識者がパブリックコメントを通じて「因果関係はあるのか?」「相関関係を恣意的に読み取っていないか?」と疑問を投げかけました。これに対する委員会の回答は以下の通りです。
 令和元年11月に国立病院機構久里浜医療センターから公表された全国調査結果において、平日のゲームの使用時間が1時間を超えると学業成績の低下が顕著になることや、香川県教育委員会が実施した平成30年度香川県学習状況調査において、スマートフォンなどの使用時間が1時間を超えると、使用時間が長い児童生徒ほど平均正答率が低い傾向にあるという結果が出ており、インターネットやコンピュータゲームの過剰な利用が学力低下を引き起こす要因になるものであると考えています。(資料7ページ)
 ご覧の通り、因果関係を示す研究については全く言及されておらず、「インターネットやコンピュータゲームの過剰な利用が学力低下を引き起こす要因になるものであると考えています」と委員会の考えを述べるのみ。
 因果関係を示す具体的根拠が求められているにもかかわらず、委員会の“お気持ち表明”しか書かれていない回答としては、以下のような内容も見受けられました。資料全体を通じて、説明責任を果たしていない回答が多い印象を受けます。
―― 子どもの体力の低下は現代の生活習慣によるところが大きく、ゲームとの因果関係が現時点において明確になっていない。
 スポーツ庁が発表した令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果によれば、児童生徒のテレビ、DVD、ゲーム機、スマートフォン、パソコン等による映像の視聴時間と体力合計点との関係において、平日1日当たりの映像視聴時間が長時間になると体力合計点が低下する傾向がみられるという結果が出ており(編注:資料を確認しましたが因果関係は示されていませんでした)、インターネットやコンピュータゲームの過剰な利用が体力低下を引き起こす要因になるものであると考えています。(資料7ページ)
――親の愛情の不足がネット・ゲーム依存症の素地を作るかの如く、乳幼児期の親子の愛着形成と絡めて精神疾患を論じており、愛情不足が発達障害を生むとした発想とも通じるものであって大変危険である。
 養育者との安定した愛着は、子どものインターネット・ゲーム依存に抑止的な効果があるとの指摘もあることから、インターネット・ゲーム依存に陥るリスクを軽減させるため、乳幼児期からの子どもと保護者との愛着形成の重要性について普及啓発を行うことが重要であると考えています。(資料21ページ)
――性表現や暴力表現などについて、依存症との因果関係が不明。依存症対策という条例の目的を逸脱していないか。 事業者の「自主的な規制」を求めることは、表現の自由の侵害にあたるのではないか。
 「著しく性的感情を刺激し、甚だしく粗暴性を助長し、又は射幸性が高いオンラインゲームの課金システム等により依存症を進行させる等子どもの福祉を阻害するおそれがあるもの」については、こういった要素により、ネット・ゲームにのめり込むことにより、日常生活又は社会生活に支障が生じることがあると考えています。(資料50ページ)
ネット・ゲームが「有効に活用される場合には本条例の対象とならない」――eスポーツは含まれる?
 3月12日に開かれた検討委員会にて、「平日60分まで」などの利用時間や、「午後9時まで」などの終了時間については、家庭におけるルールづくりの「目安」と書き改める方針が確認されました。
 公開された資料には、加えてネット・ゲームの利用が依存症につながらず「有効に活用される場合」には条例の対象とならない旨が記されています。
 こうした考え方を明確にするため、第18条の見出しの「子どものスマートフォン使用等の制限」の「制限」を「家庭におけるルールづくり」に修正します。また、同条第2項において、「平日60分まで」などの利用時間や、「午後9時まで」などの使用の終了時間については、家庭におけるルールづくりの「基準」と規定していましたが、これを「目標、おおよその基準」を意味する「目安」に修正します。
 ネット・ゲームの利用がネット・ゲーム依存症の進行につながらず、有効に活用される場合までも本条例の対象とするものではありません。 (資料9ページ)
 しかし「有効に活用される場合」について具体的な記載はなく、例えば“eスポーツ”で使用されるような競技タイトルが含まれるかは分かりません。なおeスポーツに関しては別項で以下のように言及しています。
 eスポーツは、今後の成長分野として期待されており、令和元年10月の国民体育大会において文化プログラムとして開催されるとともに、国が「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」を開催するなど、eスポーツの健全かつ多面的な発展に向けた取組みを進めていると承知しています。
 国に対しては、eスポーツの活性化が子どものネット・ゲーム依存症につながることのないよう慎重に取り組むとともに、必要な施策を講ずるよう求めるものです。(資料37ページ)
「判断のしようがない」「負担になる」保護者目線の意見に委員会は「責任を自覚していただく」
 「保護者の責務」に関する項目を記した第6条では、「子どもをネット・ゲーム依存症から守る第一義的責任を有することを自覚しなければならない」と記されています。
 これに対し「保護者に対する責務の押し付けであり、個人の自由を縛り付けているのではないか」「保護者に対する新たな責務の規定により子育てに対する不安が増大しないよう、子育てに対する支援の充実が求められる」といった反対意見が寄せられたものの、委員会は「(保護者には)第一義的責任を有することを自覚していただく」と改めて考えを示しました。
 ネット・ゲーム依存の対策に当たっては、社会全体で対応を行っていく必要があり、県においても総合的な対策に取り組む必要がありますが、子育ての第一義的責任は父母などの保護者にあることから、保護者に対し、子どもをネット・ゲーム依存症から守る第一義的責任を有することを自覚していただくものです。
 保護者が子育ての悩みを一人で抱え込まないよう、不安や孤立感などを和らげることを通じて、自己肯定感を持ちながら子どもとしっかりと向き合える環境を整えることで、保護者が子育てや子どもの成長に喜びや生きがいを感じることができるよう支援することが必要であると考えています。(資料30ページ)
 また、「ネット・ゲーム依存症に陥る危険性やネット・ゲーム依存症にならない方法が確立されていないため、保護者は判断のしようがなく、学校やネット・ゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等に負担がかかっている」とする反対意見に対しては、県としても“正しい知識の普及啓発”を行っていくとしています。
 再三になりますが、医学的根拠を求められた際、その根拠を示すのではなく「あると考える」と答えた委員会に“正しい知識”を普及することは可能なのでしょうか?
県外の事業者に関する項目は「地方自治法に規定する条例の属地主義に反するものではない」
 事業者から大きな反対があったと考えられる第11条「事業者の役割」の項では、香川県の条例が県外の事業者の活動を規制することに関して、委員会の考えが以下のように論じられています。
 事業者に関する規定については、インターネットの特性上、県外の事業者にも、子どもの福祉を阻害するおそれがあるものについて自主的な規制に努めること等により、県民がネット・ゲーム依

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